2001-08-07 さぶい [長年日記]

[雑記]

夏だと思えないくらいの寒さで、なのに何故電車は冷房をガンガン効かせ過ぎているのかという疑問にかられつつの出勤。ひょっとしてその排気熱で外の気温を上げようとしているのなら、奥は深いけれども思慮は浅いといったところ。半袖の上に何か羽織る物を持ってくるんだったと思いつつも、本来暑がりの私が夏場に着られるような長袖の服を持っている筈はなく、凍死しないように気を緩めず頑張って耐えてみた。

勤め先の無料自販機では四季を通じて温かい飲み物を扱っていて、こういう日にはとても助かる。

仕事中は仕事中で、得体の知れない謎の眠気にひっきりなしに襲われて辛かった。売上にかかわる仕事で数字を扱っているのに、眠さのあまり何度も計算を間違えたりした。同じ伝票を何度もチェックする事になるからまあ問題はないとはいえ、あまり気分の良いものではない。

堂々と眠気を晴らすには電話を取るのが手っ取り早い訳で、今日になって初めて勤め先にかかってくる電話を取った。自分の会社じゃないものだからものすごく緊張して電話に出てみたというのに、記念すべき?最初の電話は別のフロアにいるらしいそそっかしい社員さんからの間違い電話だった。

[読書]プラスティック(井上夢人/講談社ノベルス)

数人の人間によって交互に書かれた
文書ファイルから導き出される、
ある事件の真相とそれに関わる人物の秘密。

紫・オレンジ・ピンクの3色が印象的な表紙と、古本とはいえ新書で100円という価格にひかれて購入。それまでこの著者の名前は聞いた事もなかったのだけど、試しにネットで検索をかけてみたところ、意外な程にヒット数が多くてびっくり。以前は友人と二人で「岡嶋二人」というペンネームを使っていたらしいのだけど、私はそちらも知らないのであった……。

で、本作であるが、少し触れただけでもネタバレになりかねないような内容であり、だからいつも以上に詳しい事を書かないが、ネタのありふれ度合とそれに連なるトリックのわかりやすさ加減は致命的であると思う。しかし、ラストでやっと意味が理解できるこの本の題名、ラストシーン?、そして各登場人物達それぞれの1人称を巧みに書き分けている文章には、読んで良かったという気にさせられた。機会があれば、他の本も読んでみたい作家である。