2001-07-21 つまりは朝からビール [長年日記]

[雑記]

昨日の睡眠時間が不規則過ぎたせいか、今日は午前中全然眠れなくてとても困った。軽くアルコールでも入れてみようとビールを飲んだが効果ナシ。ナイトキャップ代わりにするには、甘くて濃いお酒とかいっそミルクの方がむいてるかも知れない。ビールは違うような気が自分でもする。

開き直ってしばらく起きてる内にいつのまにか熟睡。久々に遅刻の不安に苛まれての起床を迎えた。

[読書]地球はプレイン・ヨーグルト(梶尾真治/ハヤカワ文庫JA)

今更ながらの梶尾真治第1短編集。今から20年以上も前の作品で、何とか私は生まれていたこの頃、SFはジャンル全体で勢いがあったのかなーと星新一の解説を読みながら思った。今じゃちょっと想像できない。

「美亜へ贈る真珠」
「航時機」に1人乗り込んで8万5千分の1の速度で未来にむかって歩む若者と、通常の時の流れに置き去りにされながらもその姿を見守り続けた元婚約者の物語。著者のデビュー作として、この作品は様々な場所で取り上げられている。上手くまとめられないので今は書かないけれど、読んだ後にとてもいろいろ考えさせられた。
「詩帆が去る夏」
一見仲睦まじい父娘の間に秘められた、父だけが知る絆。「クローン有機体として分化成長した個体は、母体のDNA遺伝子だけではなく後天的な記憶をも受け継ぐ」という「レヴィン伝説」よりも、「過去のあやまち」が心中の理由になったらしい当時の時代性?にむしろ興味を惹かれた。ここから背景色。プロポーズを受けた詩帆がありもしない「過去のあやまち」を告白したのは、自分の至らない点がいずれ露呈してせっかく手に入れた幸せがいずれ壊れる事を恐れ、むしろ手に入れる前に失う決意だったのだと思う。結局は手にした直後に人生を終わらせるという方法に変わり、彼女もそれを受け入れたのだけど。
「地球はプレイン・ヨーグルト」
下町で創作料理屋を営む男が巻き込まれた、味覚によってコミュニケーションを行う宇宙人と地球人達による会談とその顛末。宇宙人との奇想天外な接触場面は、異星人達の性交渉を具体的に描写するついでにそれぞれの文明の特質についても述べた「クラスター・サーガ」(ビアズ・アンソニイ)を彷彿とさせる。終わりのグロさ・ダークさを含めて、個人的に非常にSF的と感じた作品であった。