2001-06-13 音楽について適当に語る [長年日記]

[雑記]

私にしては珍しく音楽でも聴く気になったので、押し入れからコードレスヘッドホンを引っ張り出して、タンスの上のミニコンポのスイッチを久々に入れた。最近の曲には興味が湧かず、専ら10年程前の曲ばかり。映像には悪い意味でしか心を動かされる事がない私だけど、音楽はテキストより良い意味でも鮮烈な感情を引き起こす事は認めざるを得ない。

チェッカーズが解散して以来、あれ程に好きなグループも個人も未だ見出せないのが私の音楽離れの原因かも知れない。好みとしては、ボーカルの声は甘いかハスキーで、音楽と詞はダサくてカッコ良い?のが条件。そして一過性の流行モノではない事。サムエルは惜しかった……昔偶然に聴いたデビュー曲「悲しきノンフィクション」は未だに大好きなだけに。

知る人ぞ知る、スタ丼の店へGO。ニンニクは苦手なのでミニ生姜焼丼を注文したが、どこがミニなのか説明して欲しいぐらいのボリュームに圧倒。肝心の味の方は(以下略)。

[読書]ライトジーンの遺産(上)(神林長平/ソノラマ文庫NEXT)

未来社会において、人類は臓器が崩壊するという原因不明の現象に悩まされていた。
死から逃れる為には人工臓器を移植する他にない。
この人工臓器の市場を独占していた企業ライトジーン社は、
人類全体の運命を握るまでの影響力を恐れられ解体された。
後には乱立する各臓器メーカーと、
ライトジーン社の作った2体の超能力(サイファ)を持つ人造人間が残された。
その内の1人であるコウこと菊月虹は、美味いウイスキーと良い本を楽しむ為に、
市警中央署第4課での下働き等、自由人としての生活を過ごしていた……。

梶尾真治にハマったら神林長平も是非という薦めを受けて手を出してみた作品。正直、非常にとっつきにくい話であった。1人称のハードボイルド調SFで、しかも序盤から大量の情報が与えられるものの、その主人公の独白からは物語世界がなかなか読み取れないのである。友人の薦めでなかったら数ページで放り投げた事だろう。それを乗り越えた後は徐々に物語に惹き込まれていく事ができたが。

上巻は連作短編が4本収録されている。2本目の「バトルウッドの心臓」が特に面白かった。また全編を通じての、「超能力は人間が進化する過程で捨てた能力であり、サイファは普通人より優れた存在ではない」という主人公コウの思想は新鮮。