生まれてすぐに死んでしまった母に続き、父をも失ったルビー。 哀しみに浸る余裕も与えられず、ルビーを妬み憎む姉や義母の嫌がらせに振りまわされながらも、 愛するボーイフレンドのボーを心の支えに頑張ろうとするルビーであったが、 彼女の気力を打ち砕こくかのように辛く苦しい出来事が次々と襲い掛かるのであった。
という訳で、下巻も1日で読み終わった。幾ら他人までをも巻き込みたくないからといって、全くの嘘っぱちをネタに姉に脅されて屈したり、本気で姉の為を思うならば常に厳しく接するか常に寛大に接すれば良いのに、姉ではなく自分や自分の好きな人の事だけを狭い視野で考えているようにしか見えないルビーにお手上げ。優等生の癖に決断・実行が中途半端な結果、奔放なジゼルよりも最悪の結果を招いてもいる。自分だけが不幸になるならともかく、それが周囲の人を巻き込む訳で、だからそれを理由に嫌われるのはある意味自業自得だと思うのだけど。
続編を読んでも相変わらず共感できないヒロインであったが、細かい描写ながら淡々とした印象の文体は好きだし、何より「今度はこの馬鹿女達(ルビー&ジゼル)何をしでかすんだろう?」といった興味が尽きないのも事実。対象を好きではないけどチェックする、いわゆるウォッチャーの心境が良くわかる。私もこうなったら最終刊まで観察し続けてやろうと思った次第。