26歳の誕生日である。誕生日が嬉しくないと思ったのは今年が初めてである。年を取る事に嫌気を感じているんじゃなくて、無職という宙ぶらりん状態で年を取ってしまった事にひっかかりをおぼえているだけなのだけど、これを機会に今後は誕生日を祝って貰わない事にするかな。でもプレゼントは捨て難い。やっぱり無理か。
★ 夜、実家の親から電話がかかってきた。私の誕生日なのでわざわざ電話をかけてきてくれたらしいのだけど、今の状況が状況だけに会話する内容に詰まってしまい困りまくった。
「最近仕事は忙しいのか?」「うーん。普通……」
ちなみに会社を辞めた事は両親には一切伝えていない。現時点で話して余計な心配をかけるより次の仕事先を見つけてから話す方が良いという綺麗事的理由、それから今の状態でいろいろうるさい事を言われたくないという本音的理由。
まあとりあえずのところ、明日から何でも良いから動き始めるかなーという気分にさせられた電話ではあった。気分にはね。
記念に今日は読書日記コミュニティ内掲示板に乗り込んでいって宣伝カキコをしてみた。宣伝するんだったらやっぱり掲示板は必要かなあ? でも誰も書き込まない掲示板になりそうで怖い。
吸血鬼モノだけど近未来SFという異色作。ちなみに著者は横溝賞受賞者との事で、生粋のSF作家ではないらしい。
21世紀初頭を舞台とした作品であるが、その設定が非常に現実味溢れていて素晴らしいと思った。破壊された小惑星の破片に付着していた未知の宇宙物質「D物質」の影響により吸血鬼のように変貌する人々「Dタイプ」、その彼等を平和的かつ強制的に保護しようという計画「Dプロジェクト」。人体に悪影響を与える強い酸性雨の危険性を警告する為に、雨を無害な色素で着色する「RED RAIN計画」。前世紀からその危険性が叫ばれていたにも関わらず、企業の御用学者が学会を支配していたが為に立証が遅れ、ようやく問題が認められた時には人類全体に様々な手遅れをもたらした「環境ホルモン」、ってこれはもちろん完全に架空の設定じゃないけど。等々。
せっかくのこれらの設定が、ページ数の少なさ故に消化されきれていない感じなのが惜しい。このクオリティならば、文庫本数冊のシリーズであっても私は買い求めて読むのに。