2001-12-19 フミヤじゃなくて郁弥(ポイント)・「血も心も」 [長年日記]

[雑記]

チェックの衣装を着て無邪気っぽいポーズを取っているミニモニ。を見て、「この中にチェッカーズ初期の郁弥が混じってても違和感ないなー」と思ってしみじみする今日この頃。平和。一飜。

[読書]血も心も−新吸血鬼物語−(エレン・ダトロウ編/新潮文庫)

「血を奪う」という典型的特徴からやや離れ、「獲物を精神的に支配する」といった側面を重視して描かれた「吸血鬼」の作品集。今日は4篇読んだ。

「死は快楽」(ダン・シモンズ)
人間を思いのまま操り、自らの手を汚さず凶悪犯罪を起こす「マインド・ヴァンパイア」達。設定は面白いが、主人公以外の登場人物の心理が掴めないまま読み終わってしまい消化不良気味。この作品を元に書かれたという長編「殺戮のチェスゲーム」なら、もう少し深く書き込まれてるかも知れない。機会を見つけて読んでみる予定。
「海はどこまでもぬれにぬれ」(ゲイアン・ウィルスン)
「不思議の国のアリス」内の1篇の詩を、設定を生かして吸血鬼作品に仕立てたもの。こういったアレンジは、元の作品を損なったり縮小再生産になったりしにくい点が好み。牡蠣が食べたくなる?話。
「銀の首輪」(ギャリー・キルワース)
謎の男が語る、吸血鬼と高貴な女性の物語。古典的設定の吸血鬼が出てくる。目新しさはないが、きっちりまとまっていて良かった。「恋は盲目」という言葉がぴったり。
「鈍刀で殺れ」(ハーラン・エリスン)
アイデンティティの喪失? 正直理解できなかった。著者の短編集「世界の中心で愛を叫んだけもの」にも別訳で収録されてるらしいので、そちらも機会を見つけて読んで……って、そんなのばっかりのような。