2005-03-21 遅ればせながらバースデーケーキ+α/ニュースいろいろ/「ゴッドファーザー」1・2・3 [長年日記]

[雑記][食べ歩き] 遅ればせながらバースデーケーキ+α

バースデーケーキ記念すべき30歳を加齢華麗に祝うべく、本当の本当はケーキの表面にロウソクを30本ぶっ刺しまくりたかった。「ひとつひとつがみんな君の人生だね」って言われつつx本目からは一緒に火をつけたり等されたかった訳ではない。ただ、30本のロウソク全部がケーキの表面が煌々明々と照らし出す奇妙な迫力に、30歳の感慨をひしひしと感じたかった。だがしかし、バースデーケーキのロウソクは基本的にサービス品である。無料でつけてくれるものを、「大3本でよろしいですか?」と尋ねられて「いや小30本でお願いします」とは申し訳なくて言えない。だからと言って自前でろうそく30本用意するのも淋しい(東急ハンズまで足を運んで商品の吟味までは行った)。結局大3本で諦めた。

ケーキはパティスリー・ラ・マーレ・ド・チャヤ(長い)のショートケーキ。最初の一口でチーズクリームかと思った程、生クリームが甘さ控えめかつ濃いめで大変美味しく、スポンジも間に挟まった苺もそれに引けを取らない味。今まで食べたショートケーキの中でいちばんぐらいに美味しいんじゃないだろうか。私の父親はショートケーキ(生クリーム)好きなので、約半年経って両親が田舎から引き揚げてきた折には、ここのショートケーキを手土産に持っていってあげようかと思う。あと細かい事だが、「誕生日おめでとう」のチョコプレートが、チョコとしてしっかり美味しいのも良かった。大抵の店のは、口溶けも悪い味も悪い、辛うじてチョコを名乗れるかどうかな代物だったりするので。

他に「ロールになったチーズうさぎ」を3種類も頂戴した。白い生地にチーズクリームと苺ソースの入ったものの他、桜味のものとキャロット味のものと。比べるモノでもないのかも知れないが、たまに買って食べる100円のでかいロールケーキと比べると生地のふんわり柔らか具合が段違い。挟まれたクリームもそれぞれに美味しい(桜味はせっかくの桜風味を活かすのにもう少し甘味控えめでも良い気がしたが)。上手に切り分けられなかったので写真を撮らなかったが、今思えばもったいない事をした。

[動物] 萌え猫画像/加茂水族館に20種のクラゲ/映画「ハルウララ」完成披露試写会

萌え猫画像 立ち寝(とんぢる劇場(3月21日付))・すきっぷ。(花猫風月(3月21日付))

「『世界一』20種のクラゲ 山形の加茂水族館に登場」sea of tranquility(3月20日付)より)(→関連:鶴岡市立加茂水族館 クラゲ展示室 クラネタリウム加茂水族館トピックス コリっと、クラゲアイス発売

世界一の種類が揃ったクラゲを眺め、クラゲの入ったアイスを食べる。

「<競馬>ハルウララ描いた映画の完成披露試写会 高知」(→関連:映画ハルウララ公式サイト

そういえばそんな馬もいたしそんな映画の話題もあったっけなと思い、映画公式サイトを覗いてみたところ、みつを風なキャッチコピーが出てきて困惑させられた。

[食べ物] 下田「きんめコロッケ」

「お魚の街のコロッケは魚だった」(→関連:食わっせ、飲まっせ、下田食楽街! 下田きんめコロッケ取扱店一覧

下田の新しい名物、きんめコロッケ。「形が魚型で中に金目鯛の身が入っている」というのがベースのようだが、形や味は店によって結構まちまちのようである。美味しそう。

[VIDEO・DVD] ゴッドファーザー(主演:マーロン・ブランド/監督:フランシス・F・コッポラ)

TSUTAYA online 作品紹介

裏の社会に絶大な権力を持ち、人々に「ゴッドファーザー」と呼ばれ恐れ敬われる、マフィアの首領ビトー・コルレオーネ。末息子マイケルは血腥い家業を嫌い、大学に通ったり軍に入隊したりと1人別の人生を歩み、家族からもそれを受け入れられていた。しかしある日ビトーが銃撃を受け、ファミリーの危機に直面したマイケルは自ら抗争の中に身を投じる事を決意する。

「コッポラ監督の『ドラキュラ』が面白かった」という話を人にしたら、「コッポラ監督は『ゴッドファーザー』がとても良いので、是非連休の折にでも3作まとめて借りて観るべき」と勧められたので、その通りにしてみた。とりあえず1を観た限りでは、骨太な物語と緻密なエピソード描写と俳優陣の重厚な演技が圧巻で、それ以外の部分に目が向かず(例えば舞台裏的な部分に想像を巡らせたりする余裕がない)、作品そのものを味わえる作品だった。

1作目では、栄華を誇ったビトーの時代の終焉と新しい時代の台頭が描かれている。采配能力も衰えていない人々の人望も厚いドンが、自分の肉体と時代とに押し寄せる年月についには権力の座を譲り渡す姿、本来は別の道を志していた息子が、迫り来る変革の波の煽りを受けて道を転向する姿。どちらもただ翻弄されたのではなく、自分の意志をしっかり持っての決断である辺りが、かえって「哀愁に満ちたカッコイイ男の生き様」みたいなものを感じさせるかなと思った。マーロン・ブランドのハスキーボイス、冷静さと誠実さを兼ね備えているが血筋及びカリスマ性のなさで名補佐役にまわるトム、クールな美貌と無邪気な言動が魅力的だったアポロニア、序盤の映画プロデューサーとの「交渉」シーン・マイケルの手に汗握る初「仕事」シーン・扉を静かに閉めるラストシーン、が特に印象に残った。

[VIDEO・DVD] ゴッドファーザー PARTII(主演:アル・パチーノ/監督:フランシス・F・コッポラ)

TSUTAYA online 作品紹介

時代の差も反映して、対照的に描かれた父ビトーと息子マイケルの生き様。ビトーはまだ幼い頃に父と母と兄を地元の権力者に殺され単身NYに逃げ延びた後、その後人脈を着々と築き上げて台頭していく。コルリオーネ家首領の座を引き継いだマイケルは、今の時代に即した形でファミリーを発展させようとシビアな采配を振るうが、彼の若さを侮る者・非情さに反発する者が内外から噴出して苦悩する。

1のビトーは、裏社会を取り仕切る大マフィアの首領ながら情に厚そげな魅力的な人物で、是非その若い頃の姿が見たいと思ったのだが、この2できっちりと描かれていて大満足。ロバード・デ・ニーロがマーロン・ブランドそのまま?のハスキーボイスと仕草で演じる若かりしビトーは、殺人や恐喝をも汚い仕事に見せない好人物ぶりで、彼の生きる時代は「古き良き時代」という言葉が似つかわしい素敵さであった。

一方、本来目指す道を捨ててまでファミリーの為に尽くすマイケルは、ビトーと違って愛情を捧げられずあまりにも報われない。最初はマイケルが父と違う時代に生まれてしまった悲劇だと思っていたのだが、次第にどうやらそれはビトーとマイケルの「ファミリー」に対する認識の違い、突き詰めれば人格の差であるように見えて、ラストシーンの「当初予定していた道を歩み始める頃から実は孤独だったマイケルの姿」で大いに納得。ビトーがマイケルを家業に関わらせたがらなかったのは、勿論マイケル自身の意向を汲んでもいただろうけど、本質的にマイケルがドンに向いていない(性格的にビジネスライク過ぎて敵ばかり作る)と見抜いていたからかも知れないな、と妄想した。あと個人的にトムが好きなので、トムが危険な仕事で死んだりマイケルを裏切って殺されたりしないかと、観ながらずっとハラハラした。

[VIDEO・DVD] ゴッドファーザー PARTIII(主演:アル・パチーノ/監督:フランシス・F・コッポラ)

TSUTAYA online 作品紹介

老境に差しかかったコルリオーネ一家の首領マイケルは、長年の悲願であったファミリー合法化に向けて、ローマカトリック教会と手を結ぼうとする。しかしより上を目指して登りつめるマイケルの目に映るものは、裏社会に勝るとも劣らない汚れたローマカトリックの裏側であった。

1・2から20年弱を経て製作された、一代叙事詩「ゴッドファーザー」のラストを締めくくる作品(で良いのかな?)。1・2とは時代が跳ぶものの、俳優達の老け具合(地顔?メイク?)が登場人物達の老け具合にちょうど上手くリンクしていて、続けて観ても違和感がなかった。年を取って感情の起伏が一層激しくなり、糖尿病を患ってふらつきながらも「ファミリー」の為に必死に頑張ってきたマイケルだが、それが全くと言って良いぐらいに報われていないのは、これはもう業の深さとかそういうものを理由に挙げるしかない。3作かけて描かれた凄まじいまでの男の悲哀に深く感じ入った。ただ、終盤のコニーとヴィンセントの行動が突飛に見えて行動理由が理解できていない辺り、私はこの作品をちゃんとわかって観ていない可能性が高い。ネタバレサイトをあたるか、時間をおいて再視聴してみないとならない。

これは穿った見方であるが、マイケルの息子・娘・後継者は、それぞれが「若いマイケルが叶えられなかった夢」をダブらされた存在であるように見えた。家業を継がないと宣言して好きな歌劇の道に進む息子は、抗争に巻き込まれず予定していた道を進んでいた場合のマイケル。仕事の綺麗な面だけを請け負い、時には「私はお飾りなの?」と表情を曇らせる娘は、マフィア一家の中で1人違う道を許され愛情をもって隔離されていたマイケル。血気に逸り問題ばかり起こすがやがて着々と後継者として成長していくヴィンセントは、本来跡を継ぐ筈であったマイケルの兄ソフィー。更に穿った見方をすれば、(略)が(略)する展開は、マイケルの業の深さを現しているのかもしれない。

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