2002-06-24 キャンディ・キャンディ/「骸骨乗組員」 [長年日記]

[その他]キャンディ・キャンディ

泡沫の日々(21日付)より、 安貞桓選手の愛称はキャンディ・キャンディからという衝撃?の記事。

なんでも安貞桓(最近ようやく覚えた)の愛称「テリュース」は、あの「テリー」からとられているという事なのである。しかし私がキャンディx2を観ていた頃の記憶はあまりにおぼろげで、アンソニーとテリーとアルバートさんの区別がつかない勢い(つまり失速)。結局誰が「丘の上の王子様」だったんだっけ? アンソニーが井上和彦氏・テリーが富山敬氏・アルバートさんが井上真樹夫氏、というところまで調べて力尽きた。

[読書]−スケルトン・クルー 1−骸骨乗組員(S・キング/扶桑社ミステリー)

キングの最新短編集(但し’88年時点で)。邦訳版ではこの短編集を3巻にわけて収録していて、今回読んだのがその1巻目。なんだかややこしい。

全6篇を読んだ。感想を幾つかリストアップする前に、序文の「長編小説を読むのは永く続く情事を娯しむのに似ている・短編小説を読むのは暗がりで見知らぬ人から受ける束の間のキスに似ている」という比喩に深く感心した事を書いておく。私も似たような事を思っていた。長編小説でラストが失速気味なのは許し難いけれど、短編小説ならどんなラストも比較的甘んじて受け入れられるのは、その辺の自分内区別が理由と思われる。

「ウェデイング・ギグ」
あるヤクザの妹である不細工でデブな女の結婚式で起きた悲喜劇。いわゆる「デヴス」の不幸を、主人公のジャズ演奏者は理解ある眼差しでとらえている。しかし安易に同情しないのは、同じバンド内の仲間が本人の努力の絶対に及ばない点で、彼女以上の目に遭わされ続けてきたから。理解=支持ではないのは、個人的に好ましく感じる。
「霧」
メイン州西部の湖畔の町を襲った激しい嵐。しかし住民達を襲った真の恐怖は、嵐の後に訪れた白い「霧」に潜んでいた……。パニック小説。設定はB級ホラー映画にありがちな陳腐なものなのに、霧に隔離されてスーパーマーケットに閉じ込められる人々の恐怖が細密かつ濃密に描かれていて、読んでいて背筋がゾクゾクしてしまう程だった。白い霧は黒い闇と同じく視界を遮り、そして現実味が希薄な事からより一層人々の恐怖をかき立てただろう。しかし霧の中に潜むものの事を考えれば、問題解決の糸口が見つかるまでは霧は晴れない方が人々の為なのかも知れない。

本日のツッコミ(全6件) [ツッコミを入れる]
富樫 (2002-06-27 10:01)

あの短篇シリーズでは本としては『神様のワードプロセッサ』が好き。「霧」ではブッチャーの西洋における意味合いの二面性が印象的だったです。ラストの言葉も。

umeya (2002-06-27 10:42)

>p01 ネタバレですが大簡略化した人物紹介。





「丘の上の王子様」がアルバートさん。「王子様」にそっくりで、キツネ狩りで事故死した初恋の人がアンソニー・ブラウン。アンソニーとアーチー(アーチーボルト)、ステア(アリステア)の兄弟が属する旧家がアードレー家で、その次期当主「大おじさま」がアルバートさんの正体。テリー(テリュース)はキャンディたちが留学したイギリスの寄宿学校で出会った女優の息子で、自分の身代わりになって歩けなくなった女優を選んでキャンディを捨てる。

umeya (2002-06-27 12:30)

思い出したので追記。テリィの本名はテリュース・G・グランチェスター。グランチェスターがお父さんの方の、貴族の家名ですね。母親の女優はエレノア・ベーカー。で、似てるんですか?(記事の写真ではよくわからんかった)

素光 (2002-06-27 21:48)

>霧
肉屋さんは最初の方で鶏肉を振舞う姿が好印象だっただけに
後半の展開にとてもやるせない気分になりました。
今まで読んだキングの短編でいちばん好きなのは「超高層ビルの恐怖」です。
と言ってもまだ短編の全部を読んだわけではありませんが。

>キャンディx2
人物紹介して頂いたおかげで何となく思い出しかけてきました。
そう言えばキャンディって看護婦になったんでしたっけ?
「キャンディの看護婦セット」玩具を持ってたような記憶があります。
で、テリィですが、東洋人とは似てないだろう、というのが率直な感想です。

umeya (2002-06-28 08:52)

>c03 なりました。
育った孤児院で病気の子どもの手あてができるように、というのが看護婦志望の動機だったんです。最後ではポニーの家(その孤児院の名)専属の看護婦になってたと思います。
でも今思えば、看護婦では医療行為できないですね。なんで女医じゃなかったんだろう。

素光 (2002-06-29 09:26)

>看護婦
舞台ってアメリカでしたっけ? 従軍看護婦とか…は関係ないか。うーむ。

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