2002-01-28 月なか集中の仕事が欲しい/「伝道の書に捧げる薔薇」 [長年日記]

[雑記]月なか集中の仕事が欲しい

月末が近付き課金処理が忙しくなる合間を縫って、2月から増える予定の新しい業務の引継ぎが始まる。引継ぎといっても、うちの部署で引き受ける事だけが決まっていて、どの範囲を誰が担当するかまでは全然決まっていないので、携わる予定の全員が交互に勉強会に参加している状況。激暇が改善されるのは大歓迎だけど、月末集中の業務らしく月末月初「だけ」忙しい私がメインの担当になる事はなさそう。ガッカリしてしまって勉強にも身が入らない。

[読書]伝道の書に捧げる薔薇(ロジャー・ゼラズニイ/ハヤカワ文庫SF)

短編から中編までが収録された短編集。タイトルの印象深さで以前から気になっていたので、古本屋で安く見つけたのを購入してみた。

全15篇中7篇を読んだ。感想を幾つかピックアップ。

「十二月の鍵」
誕生直後に寒冷惑星向きの「猫形態」へ改造を施されたが、適応可能なその唯一の惑星が突如消滅した為に、同じ境遇の仲間達と共に自分達の世界を作り上げようとする青年。恋人や仲間に向いていた彼の視線が、ある事件をきっかけにより高いものへと移っていく。宗教を美化し過ぎというとらえ方もあるだろうけど、私は逆に本来宗教とはこうあるべきだと思う。
「悪魔の車」
女性の人格・優れた機能を備えた車を駆って、野性化した車の集団を率いて人間を虐殺する「悪魔の車」を追い詰める男。陰謀と破壊と犯罪の渦巻く現代によみがえる正義の騎士「ナイトライダー」やキングのホラー小説「クリスティーン」を思い浮かべながら読んだが、ゼラズニイのこの作品は、胸のすく爽快感や恐怖の代わりに虚無と孤独をなんとなく感じさせる作品だった。
「伝道の書に捧げる薔薇」
荒廃した火星で火星言語研究を行う詩人と火星人の踊り子との恋。と書いてみたけど、これも恋よりむしろ宗教がメインかと。恋物語らしくない展開や緊迫感のない立ちまわりも、きれいにさらうぺシミスティックなラストに呆然。途中引用される詩についての知識があれば、更に10倍は深く読めたと思う。残念。

[]