2001-06-29 規則正しい生活としての遅寝遅起き [長年日記]

[雑記]

今度の仕事に備え、昼夜逆転生活に磨きをかける日々。テレホは開始から終了までずっと起きている。しかし朝寝て夕方起きた後、何となくまたネットに繋いでしまって電話代が馬鹿にならない。仕事の日の事も考えて、常時接続を検討する時期が来たのかも……ってそう言えばお金がなかったっけ。萎え。

ようやく煙草を処分した。どうしても吸いたくなれば、正直また吸う事もあるかもしれない。でも日々依存したくはないし、何よりも今回の僅か数時間の喫煙が、歯周りに甚大な被害がもたらしたのにぞっとした。

[読書]秘密(東野圭吾/文春文庫)

夜勤明けの会社員杉田平介は、偶然観たTVのニュースにて、
帰省途中の妻と娘が乗ったスキーバスが転落事故を起こした事を知った。
必死の願いも虚しく、妻の直子は帰らぬ人となり、
娘の藻奈美だけが意識不明ながらも辛うじて命を取り留めた。
しかし、しばらく後に戻った藻奈美の意識には、ある重大な変化が生じていた……。

小説より先に映画の方で、題名や大筋の話は知っていたけれど、その時は単純に「『居酒屋ゆうれい』のパクリ」としか思っていなかった。直木賞候補作ともなった東野圭吾の当作品が原作である事を知らず、まして出演が小林薫や広末涼子なら、便乗&話題取り映画と思われるのは仕方ない気が。自己弁護。

で、肝心の小説の方であるが、主観のみで簡単に説明すると「居酒屋ゆうれい」+「飛ぶ夢をしばらく見ない」となる。前者のほのぼの感・後者のせつなさの代わりに、今作ではあざとさが感じられ、読後には始末に負えない後味の悪さを残す。話の中で、事故の被害者側の悲しみだけではなく、加害者側の心労や、事故の発生原因に関わる秘められた過去にも触れられている為、平介達側に感情移入した読者は怒りのぶつけどころを失う。そして、ここからは完全ネタバレになるので一部背景色で書くが、あのオチは、平介と直子がこの世には存在しない娘に固執し過ぎたあまり、結果的に御互いを失ってしまったというものであると私は思った。そしてそれは事実のみで見れば、直子1人が若さと新しい伴侶を手に入れたという結末にもなる。それを感動的ととるか、不快ととるかは読者次第である。私自身は、上手い小説だとは思ったものの、決して好きになれる類の作品ではなかった。